どうやら、洋服屋って場所に来る人には色々な人が存在する。
「カッコよくなりたい」ってヤツ。
「洋服を買って着るのが好き」なヤツ。
下に関してはどうにも意見は言えやしない。
それはそれで楽しいのであれば特においらがなにかを言う必要はないと思うから。
上について書こう。
カッコよくなりたいってヤツに限って、まず「カッコいい」が見えていない人が多い。
良い洋服しか俺は好きじゃないから、良い服しか置いていない、売っていない。
その為に魂と命を削っていると自負しているんだ。んで、それを感じてかどうかは分からんのだけれど店に来て、メールで、電話で「カッコいい服」って言う人がいる。
うん、正解。
そのとーり。
カッコいい服なんだわ。最高。(これは自信満々)
でね、ここからが大切でカッコいい洋服、モノを着たって別にあなたはカッコ良くはならないってこと。
洋服屋の店員とかも良く良く考えた方が良いと思うよ。
「似合ってますよ、これでカッコ良くなりますね」
本当は口から出たその言葉が嘘を言っているって知ってるはずでしょ。
(・・・でも皆売りたいからついそうやって嘘をつくんだな。俺はそういうの嫌い)
* 全部、全てのことが独学だけれど、「カッコいい人の背中」を追うのは自分にとって人生での大きな糧になるって信じてる(でも写真は自分の背中 (笑)
昔から、洋服屋になった頃からずっと言ってるのはカッコよくなりたいのであればファッション誌なんて買う金があったらCDを買いな、本を買いな、映画を観なさい。ファッション誌の奥側に(つまりは紙の向こう側)に写っているのはたいしたことのないただのスタイルが良い人間たちだよ。もちろん外観はそこそこカッコいいし、それがいつかの自分のスタイルってもんを作る礎になるかもしれない。(まぁ九割五分ないけどね)
ここまで言えば分かるでしょ。
これも昔から言ってるよ。
「北野武もビートたけしもカッコいいよ」
メチャメチャ怖そうな北野武もさ、着ぐるみを着て全力でくだらないことをやっている(もしくはハトヤの浴衣姿)ビートたけしも圧倒的にカッコいいでしょ。
着ぐるみ姿がカッコいいなんてのは本当に良い例だよ。
つまりだよ。
カッコよくなりたくてカッコいい洋服を着たって大した背伸びにすらならんのだよ。
それがひとつのきっかけになることはあっても、そこから階段を登りたかったらもっと大切なことがあるってことに気づいて欲しい。
俺が言いたいのはそれだけのこと。
洋服のデザインもしているし、洋服屋もやっている俺自身だからこそこれはとても強い想いなんだわ。
そう、やっぱりつまり「想い」=「マインド」が人を変えるし、その想いが人を強くしていってカッコ良く「映る」んだよ。
その魂を売るのが俺の仕事。
そんな風に思っています。
そして、俺もカッコよくなりたくていつまでもずっともがいているから一緒にもがきたいヤツが居たらぜひ一緒に走ろうぜ。
カッコよくなりたいからファッションなんて語らずに生き様全開でいきましょう。